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更新日:2021年3月 1日
医療技術科学専攻のご紹介
医療技術科学専攻 感染制御学 教授 美間健彦
プロフィール
2005年3月:岡山大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了:博士(薬学)
2005年4月:岡山大学大学院自然科学研究科:博士研究員
2005年9月:米国コロラド州立大学:博士研究員
2007年1月:米国コロラド州立大学:リサーチサイエンティスト
2010年6月:北里大学医学部微生物学単位:助教
2012年4月:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病原細菌学分野:助教
2021年2月:365体育投注_365体育直播-【高清】@保健科学部臨床検査学科微生物検査学:教授
担当科目
臨床検査技術学特論(専門共通)、感染制御学特論?感染制御学演習?特別研究(専門科目)
研究紹介
1. 細菌の環境適応機構の解明
単細胞生物である細菌は、細胞が様々な環境因子に直接曝されており、それらの変化に迅速に適応しなければなりません。細菌が環境適応のために獲得した主要な機構に、二成分制御系があります。二成分制御系はその名の通り、細胞膜に存在して環境因子を感知するセンサーと、センサーからのシグナルを受けて遺伝子発現を調節するレギュレーターの2つの成分(タンパク質)から構成されます。細菌は、環境因子に応じた複数の二成分制御系を備えています。
海洋性細菌のVibrio alginolyticusは、コラゲナーゼを産生して結合組織を破壊し、感染巣を急速に拡大します。私たちは、本菌のコラゲナーゼ産生が、VarS/VarA二成分制御系によって調節されることを明らかにしました。さらに、VarS/VarA二成分制御系が、4つの機能性small RNA(sRNA)の発現調節を介して、制御下の遺伝子発現を調節することを明らかにしました。VarS/VarA-sRNA制御系は、大腸菌や緑膿菌などにも保存されています。これまで、それらの細菌が保有する複数のsRNAの役割は、単にVarS/VarA-sRNA制御系を構成する一因子と考えられてきました。私たちは、本菌が持つ4つのsRNAの発現が、VarS/VarA二成分制御系以外の転写因子によっても調節されることを見出したことを端緒として、それらが複数の環境シグナルの統合演算システムであるというモデルを提唱し、その全容の解明に挑んでいます。
2. 細菌毒素の再生医療への応用
コラーゲンは、三重らせん構造という特殊な立体構造をとり、組織内で不溶性の膠原繊維として存在します。そのため通常のプロテアーゼでは分解されず、感染拡大のバリアーとなっています。ガス壊疸菌群は、コラゲナーゼを産生して結合組織を破壊し、感染巣を急速に拡大します。本菌群が産生するコラゲナーゼのC末端側には、PKDドメインとコラーゲン結合ドメインからなるアンカー?モジュールが存在します。コラゲナーゼは、アンカー?モジュールで膠原線維に結合してコラーゲンを効率よく分解します。私たちは、成長因子をアンカー?モジュールと融合することで、組織局所に長時間アンカーリングできることを示しました(マトリックス?アンカリング)。さらに、アンカー?モジュールを用いて成長因子をコラーゲン基剤にアンカリングし、局所で持続的に作用させて骨新生や末梢神経新生を誘導できることを明らかにしました。この技術は、再生医療を含む様々な臨床応用ができると考え、実用化を目指した前臨床研究を進めています。
最近の業績
- Nakamura S, Ito T, Okamoto K, Mima T, Uchida K, Siddiqui YD, Ito M, Tai M, Okubo K, Yamashiro K, Omori K, Yamamoto T, Matsushita O, Takashiba S. Acceleration of bone regeneration of horizontal bone defect in rats using collagen-binding basic fibroblast growth factor combined with collagen scaffolds. J Periodontol (2019) 90, 1043-1052.
- Kageyama C, Sato M, Sakae H, Obayashi Y, Kawahara Y, Mima T, Matsushita O, Yokota K, Mizuno M, Okada H. Increase in antibiotic resistant Helicobacter pylori in a University Hospital in Japan. Infect Drug Resist (2019) 12, 597-602.
- Rhodes KA, Somprasong N, Podnecky NL, Mima T, Chirakul S, Schweizer HP. Molecular determinants of Burkholderia pseudomallei BpeEF-OprC efflux pump expression. Microbiology (2018) 164, 1156-1167.
- Darwinata AE, Gotoh K, Mima T, Yamamoto Y, Yokota K, Matsushita O. Vibrio alginolyticus VepA Induces Lysosomal Membrane Permeability and Cathepsin-Independent Cell Death. Acta Med Okayama (2018) 72, 231-239.
- Mima T, Gotoh K, Yamamoto Y, Maeda K, Shirakawa T, Matsui S, Murata Y, Koide T, Tokumitsu H, Matsushita O. Expression of Collagenase is Regulated by the VarS/VarA Two-Component Regulatory System in Vibrio alginolyticus. J Membr Biol (2018) 251, 51-63.
- Podnecky NL, Rhodes KA, Mima T, Drew HR, Chirakul S, Wuthiekanun V, Schupp JM, Sarovich DS, Currie BJ, Keim P, Schweizer HP. Mechanisms of Resistance to Folate Pathway Inhibitors in Burkholderia pseudomallei: Deviation from the Norm. mBio (2017) 8, e01357-17.
- Masuda R, Dazai Y, Mima T, Koide T. Structure-activity relationships and action mechanisms of collagen-like antimicrobial peptides. Biopolymers (2017) 108
詳細な業績はこちら→ https://researchmap.jp/takehiko_mima
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